えいあーるれいの技術日記

ROS2やM5 Stack、Ubuntuについて書いています

新しいRaspbian「Bullseye」をお試し

※ 「Raspberry Pi OS」と「Raspbian」という2つの表記が出てきますが、どちらも同じです。ここでは、基本的に「Rasbpian」という名前で紹介していきます。

ついに、新しいRaspbian(Raspberry Pi OS)のBullseyeがやってきました!

以前からBullseyeについては噂されていましたが、つい一日前にオフィシャルブログでリリースの告知があったようです。

www.raspberrypi.com

BusterはUbuntu18寄りのOSでしたが、Bullseyeはより新しいバージョンに対応していたりするので、早めに乗り換えたいところです。

Twitterでの活動を振り返りつつ、Bullseyeの大きな変更点を見ていきます。

インストール!

ダウンロードサイトからほしいイメージを落とします。なお、Raspberry Pi Imagerを更新したあとにイメージを選択する方法でもダウンロードできます。

基本的なインストール方法は以前と変わらず、ほとんど迷うことなくインストールを終わらせました。OSは32bitの方を使っています。

背景が変わっています。Raspberry Pi のデフォルト背景は夕焼けと決まっているのでしょうか?

Raspberry Piのセットアップは設定メニュー通りに進めてもバツボタンを押しても良いです。もし設定し直したいのであれば、piwizコマンドで再設定可能です。

参考→Raspberry Pi OSで何度も出せる初期設定ウィザード「piwiz」 | ラズパイダ

新機能など

新しいRaspbianにはいくつか変更点があります。

デフォルトのPythonはPython3.9.2へ。Python2の廃止

Raspberry Piといえば名前の由来にもなっている「python」コマンドですが、このバージョンからPython2.7が廃止され、代わりにPython3がデフォルトのPythonとなります。これまで2.7で作成されてきたツールは全て動かなくなってしまうので注意してください。(インストール自体はできると思いますが、サポートは切れてます)

また、インストールされているほとんどのツールがUbuntu21.04に対応しているため、Python3.9やGCC10がインストールされています。バージョン間で大きな違いはないものの、Python3.8でしか動かないツールを使う場合はpyenvやanacondaやdockerなどの仮想環境を使ったほうがよいでしょう。

また、libopencv-devは4.5になったりとその他ツールのインストールバージョンが上がりました。

GTK+3

ほかのGUIインタフェースがGTK+3ベースになっているのにも関わらずRaspbianはGTK+2を使用していましたが、ついにこのバージョンで移行したようです。

タブのデザインやウィンドウの開閉時の動きに変化が見られました。(画像はRaspberry Pi Newsより)ウィンドウの開閉時動作は2GB以上のRAMが必要とのこと。

https://www.raspberrypi.com/app/uploads/2021/10/apset.png

追加プラグイン

アップデート通知や右上の警告表示が新しくなったそうです。初心者が躓きがち(?)ポイントなので、よりわかりやすい表示で親切だと思います。(画像はRaspberry Pi Newsより)

https://www.raspberrypi.com/app/uploads/2021/10/notif.png https://www.raspberrypi.com/app/uploads/2021/10/updates-1.png

カメラ・ビデオドライバが標準のLinux API

私は特に気にしていなかったのですが、Raspbianのカメラ・ビデオドライバが他のLinux APIと互換のあるものになるそうです。アプリケーションが移植しやすくなったのはいいことです!

  • カメラ:libcamera(32bitの方は旧型を残すとのこと)

  • ビデオ:KMS

Bookshelf

マガジンなどのファイルを置くことができるらしいです。チュートリアル置き場に役立ちそうです。(画像はRaspberry Pi Newsより)

https://www.raspberrypi.com/app/uploads/2021/10/bookshelf-500x318.png

ROSのビルドは…できない!

ROS1やROS2を新しいRaspbianでいち早く使いたいと思ったのですが、どうやらBullseyeではまだ有効なパッケージがないらしく、ほとんどのdebパッケージのリンクを取得することができませんでした。

Busterに変更したりしてなんとかその問題を解決できると思っていたのですが、それで解決したとしても無限に新しい問題が湧いて出てくるわけで、4時間頑張って無理だと悟り諦めました…Bullseyeに全てのパッケージが対応するのはまだまだ先だと思うので、とりあえずメインはBusterで必要なものをビルドしていくことにしようと思います。

まとめ

  • GTK+3へのアップデートでGUIが変化しており、少し使いやすくなっている。

  • ドライバの互換性やPython2の廃止により扱いやすい環境になっている。

  • Bullseyeへの対応はまだ十分ではないため、完全なサポートはもう少し待つべき。