えいあーるれいの技術日記

ROS2やM5 Stack、Ubuntuについて書いています

PCファンとPDコントローラでPD給電ファンを作る(予算500円)

あと1週間で7月です。

みなさんは夏の備えは万全ですか?私は全くしていません!


扇風機・サーキュレータは買っていないし、エアコンも引っ越してから稼働させたことがありません。

PCのファンはいつも回っていますが

しかし暑さに負けて扇風機を買うのもなんか嫌なので、実家から送られてきたケースファンと秋月で購入した部品でPD給電サーキュレータもどきを作りました!

既製品と違って小型・分解可能ですし、PC作りたい時にそのまま素材になるメリットがあります。


PD給電とは?

PD給電とは、USB PD (Power Delivery)規格で直流電力を送ることで充電することを指します。

USB PDは、USB type Cコネクタで3.3Vから21Vまでの幅で最大100W送ることができます。

この規格によって、ワイヤレスイヤホンからノートPCまでのさまざまなデバイスを同じケーブルと充電器で充電できるようになりました。


内部では送電側ICと給電側ICがCC1/CC2間で通信することで電圧を決定して給電を行います。

そのため、通信が行われなければ電圧がかからない安心設計です。コールドソケットというそうです。

他にもさまざまな規格があるそうで、基準を満たした設計をするのはなかなか大変そうです。


秋月にある50円PDコントローラ

6月上旬に、秋月電子でもCH221KというPDコントローラが販売されました🔌

akizukidenshi.com

なんと50円!

5・9・12・15・20Vに対応しており、普段使いには十分な幅でしょう。

とりあえず購入して遊ぶことにしました。

フレキシブルLEDは動作確認用としてついでに購入しました。


データシートを読みつつ回路を作って動作試験をしてみます。

配線はこんな感じになります。

Macに差してみました。MacはPDで電力を供給しないですが、PD給電コントローラは5V電圧をそのまま通すようです。

後で気づきましたが、LEDの差す場所が間違っていたようで、ずっと3.3Vで供給され続けていました…


ファンに12Vを供給する

PD給電コントローラを組み立てたところで、電圧高めだけど身近で使えるデバイスを作ろうと思いました。

電圧が高いものといえばモータなどのアクチュエータですが、あいにく手持ちにモータがありませんでした。

しばらく探したのち、実家から送られてきていたPCケースファンを見つけたので、これを使うことに。


PCを組み立てられるみなさんなら、家にいくつかPCファンは落ちていますので、これなら涼しく楽しく工作ができそうです。

追加の加工はほとんどなく、CFG→VDD間の抵抗値を変更させるだけです。

CFG→VDD間の抵抗値 設定電圧
10KΩ 5V
20KΩ 9V
47KΩ 12V
100KΩ 15V
200KΩ 20V

要求通りの電圧が届かない場合は取得可能な最大電圧を出力するみたいです。(iPhone充電器なら9Vまでしか出力されない)


組み立てました。角度調整については全く考えていませんでしたが、適当に3D🍮で作るといいかもしれません。

パーツ代は

  • PDコントローラ:50円
  • USB-C:180円
  • 抵抗3つ・コンデンサ1つ:13円
  • 基板・変換基板:100円くらい

で合計しても350円くらいで作れます。

基板を作ればもっと単価は抑えられそうです。

また、PCファンは1000円くらいしますが、秋葉原ではジャンクの14cmファンが200円で買えるので、それを踏まえると500円くらいでUSB PD給電ファンを1つ作れそうです。


まとめ

落ちていたPCファンと秋月のPDコントローラでPD給電可能なファンを作りました。

12Vを供給できるICが安価で入手できるのはとても魅力的だと思うので、高性能なPD充電器とともに複数ストックしておくと良いでしょう。

↑ちなみに給電元のPD充電器は800円で買えました。新品なのに安いの多くて助かる。