えいあーるれいの技術日記

ROS2やM5 Stack、Ubuntuについて書いています

超自由なラズパイを入手!CM4のeMMCセットアップの方法まとめ(画像)

 Compute Module4(CM4)を入手しました。

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 本来は2020年10月19日発売の商品ですが、switch-scienceでは2020年2月24日から取り扱いとなり、かなり待ちました。(switch-science様ありがとうございます。)CM4は産業用のモジュールであるため、組み込みを見据えた研究に使用する予定でもありますが、このモジュールにかなり可能性を感じているため、ほかの用途でも使用したいと考えています。そのために、基板の製作も考えています。

CM4の構成

 購入したものは、CM4単体とIOボードです。CM4は32種類あるそうですが、今回は無線無し+eMMC32GB+RAM2GBの構成です。

www.switch-science.com

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セットアップ(eMMC型)

 セットアップの方法はFlashing the Compute Module eMMC - Raspberry Pi Documentationにあります。ここでは画像を使って詳説します。

 まず、eMMCセットアップのために配線を行います。配線は、J2の(disable eMMC Boot)を短絡し、SlaveポートにUSB microBを接続し、Windows10 PCと接続し、ボード右下の電源に5~12Vの15W電源を投入します。(図では示していませんが、右下のDCジャックに電源の配線をしてください)

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配線

 次に、Windows側のブート環境を整えます。(最初は、CM4を認識しません)以下のリンクからrpiboot_setup.exeをダウンロードします。

 そして、ダウンロードディレクトリから起動します。全てデフォルトの状態で進めていいです。この後に起動するrpiboot.exeはデフォルトではC:\Program Files (x86)\Raspberry Piにインストールされます。

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 インストールが完了したら、次はrpiboot.exeを起動します。この時にCM4 IOボードにはeMMCブート無効で電源が入っている状態でWindows10 PCと接続されていることを確認してください。

 プログラムは自動実行されます。成功すると、「USBドライブ」という名前でCM4が認識されます。

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 あとは、SDカードにイメージを焼くような感覚で書き込みます。ここでは、Raspberry Pi Imagerを使用して書き込みます。

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RPI_imagerの画面

 書き込みが終わったら、J2の短絡を解除して再起動させます。SSH接続が成功すれば、普通のUbuntu Serverとして動きます。

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Tera Termの画面

まとめ

 CM4(eMMCタイプ)のセットアップをまとめました。SDカードの取り出しやクローンが必要ない場合にはSDカードのスペースがない分有利ですし、セットアップに手間や専門的な知識はそれほど要求されないのでeMMCタイプもありだなとは思いました。

 CM4のIOボードは12Vのファンをデフォルトでつけられたり、最初からRTCを実装できたり、PCIEx1のスロットを使用できたりとかなり自由度の高い構成となっています。産業用のRPIではありますが、ロボコンRaspberry Piを使用しているところや検討しているところにこそお勧めできるモジュールかもしれないと個人的には思いました。

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自由度の高いRaspberry Pi!?

USBポートの有効化

 デフォルトでは低消費電力モードでUSBポートが有効化されていない。

 そのため、config.txtにdtoverlay=dwc2,dr_mode=hostを27行目付近に追記します。これでUSBポートが有効になります。

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