えいあーるれいの技術日記

ROS2やM5 Stack、Ubuntuについて書いています

1セルバッテリーの充電回路が驚きだった件

 とても小型のUSB充電型LEDライトを持っていましたが、壊れていたので分解してみました。 すると、驚きの回路が出てきたので紹介します。 似た製品がたくさんあったのですが、データが少しずつ違っていたので、実際はどうなのかをついでに検証します。

問題の回路とは

 おそらくこのLEDライト(AlieExpress)で同じ類の製品です。私はインターネットではなく、雑貨店で500円で買いました。似た製品がAlieExpressに特に集中していました。

とても小さく、手軽だったのでバッグのアクセサリとして使っていました。 壊れた原因は、面実装された導線(正極側)が切れて外れてしまったことによるものでした。 接触不良による故障は安物あるあるですね。

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 使わないピンははんだ付けをしていなかったり、はんだの量を減らすためにDIP型のダイオードが面実装で取り付けられているなど、無駄がないというか…手抜きというか…という感じの組み立てがされていました。 中身は見られないからセーフということでしょう。

 写真1枚だけでも回路図が想像できる人もいるとは思いますが、簡単な回路図を示します。 驚いたのは、バッテリーの充電回路です。 (S1とR2が逆でした)

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見てわかる通り、3.7Vの1celのLi-Poバッテリーを150Ω抵抗とダイオードだけで充電しているということに驚きです。 確かに、Li-Poバッテリーの充電方法の仕組みから考えると、理にかなっていると言われれば理にかなっているのですが…

 普通は、Li-Poバッテリーを充電するときには1cel Li-Po用のチャージャーICを使います。 小型で高機能であるので、大抵のモバイルバッテリーや携帯電話などのバッテリーを搭載する製品に組み込まれています。 チャージャーICは、4.2V付近までチャージしてくれるほか、充電レートが調節できるなどの高機能なものばかりです。 1つ100円程度で購入できるため、バッテリーを組み込んだ回路を製作するなら外せない部品となります。

 しかし、この回路はUSBから5Vを給電して、そのままダイレクトにバッテリーにつなげています。 ダイオードは、USBホストへの電流の逆流防止と順方向電圧による電圧調整の役割を持っていると考えられます。 抵抗は、バッテリー保護用の電流制限抵抗でしょうか(?)

充電中はどれくらいの電圧がかかっているのか?

 USB充電器に基板を刺して端子間電圧を測定しました。すると、大体3.8Vの電圧がかかっていることが分かりました。 フルチャージ前提でなければ過度に充電することもなく大丈夫…なのか?

 Li-Poバッテリーの容量も気になります。どこの商品ページにも15分の充電で2.5時間(=150分)とあるので、おそらくどの製品も設計は同じなのでしょう。

バッテリーの容量は?

 サイトには、同じ製品であるのにも関わらず、データが異なっています。そのため、手元にある製品から実際はどうなのかを検証したいと思います。

 分解して取り出したバッテリーには電圧や容量が一切記載されていませんでした。そこでほかのサイトを調べることにしました。 AlieExpressで調査したところ、同じ形をしているのにも関わらず、ほとんどの容量の記載がバラバラでした。 55mAhとあるものもあれば、70mAhと記載されていたり、300mAと記載されているものも!というよりは、最も多く見かけたものが300mAと記載されていました。

ただし、写真に示すように、400mAhの1celバッテリーと比べてもとても小さいので、300mAという記載に騙されて300mAhだ!と思ってはいけません。 入るわけがありません。

手元にあった400mAhの1セルバッテリーと比べて、超小型バッテリーは横方向に2個、縦方向に2.5個入るくらいの大きさだったので、安直に考えれば、400÷5=80ということで80mAh付近だと思われます。 つまり、それに近い70mAくらいじゃないかな~と予想しました。55mAhかもしれませんが。

誰か、バッテリーを壊さずに容量を求める方法を教えてください…

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まとめ

今回は壊れたUSB充電式ライトの回路を紹介しました。

1セル70mAhくらいのLi-Poバッテリーと充電用USBコネクタのセットが200円足らずで買えてしまうのは、とても魅力的だと思ったので、部品取りにはアリだと思いました。